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【セミナーレポート】生成AIを活用した教育の未来と、その前に・・~現場のリアルと未来への提案~

  • ayakonakagawa
  • 1月5日
  • 読了時間: 6分


教育DXの第一人者が語り尽くした「AI教育の未来」とは?


株式会社エデュテクノロジーは、2025年12月17日、教育現場における生成AIの利活用をテーマとしたオンラインイベント「生成AIを活用した教育の未来と、その前に… ~現場のリアルと未来の教室~」を開催いたしました。


本イベントでは、教育行政・DXの専門家である髙井 潤 氏(戸田市教育委員会)と英語教育とAI活用のスペシャリストである髙木 俊輔 先生(私立中高一貫校教員)をお招きし 、文部科学省の最新ガイドラインやセキュリティ課題、そして具体的なアプリ開発事例に至るまで、熱い議論が交わされました。



開催概要


  • イベント名:生成AIを活用した教育の未来と、その前に・・〜現場のリアルと未来への提案〜

  • 開催日:2025年12月17日

  • 登壇者


髙井潤 氏
髙井潤 氏

髙井 潤 

戸田市教育委員会 教育総務課 主幹兼指導主事

Google for Educationや経産省での経験を持ち、教育委員会と民間企業の両面から教育改革を推進 



髙木俊輔 先生
髙木俊輔 先生

髙木 俊輔

英語科教諭 / 株式会社エデュテクノロジー アセスメントデザイナー

文部科学省「AIの活用による英語教育強化事業」自治体アドバイザーや、

中教審「外国語WG」委員も務める教育DXのスペシャリスト



対談:生成AIを活用した教育の未来と、その前に・・


1. 「個別最適化」の前提となるICT環境と、変わりゆく「知識」の価値


対談は、髙井氏による「なぜ今、ICT環境が必要なのか」という本質的な問いかけから幕を開けました。 髙木先生は、「学びの個別化・個別最適化を実現するためには、ICT環境がインフラとして不可欠である」と強調。その上で、生成AIの登場が「知識」の概念そのものに揺さぶりをかけている現状について言及しました。


ー 髙木先生:「AIが膨大な知識を統合・処理できるようになった今、人間が知識を持つことの意味や、学校で何を教えるべきかという目標自体を再定義する段階に来ています。」

これに対し、戸田市教育委員会の髙井氏は、行政の視点から文部科学省のガイドライン策定の動きについて質問を投げかけました。


髙木先生は、国のガイドライン策定のスピード感を評価しつつも、「現場レベルでのリスク管理」の重要性を指摘。特に、Googleの生成AI「Gemini」において、教育機関向け(Google Workspace for Education)アカウントでは年齢制限が撤廃され、より広範に利用可能になった最新動向に触れ、ツール環境の急速な変化に現場のルール作りが追いつく必要性を訴えました。





2. 「禁止」から「活用」へ — セキュリティと法的リスクの深い議論


多くの教育関係者が頭を悩ませる「セキュリティ」と「法的リスク」については、単なる注意喚起にとどまらない、実務的な議論が展開されました。


髙木先生は、中高一貫校での指導経験を踏まえ、「生成AIを適切に活用するには、教員の指導力と明確なガイドラインがセットでなければならない」と指摘。特に「個人情報の管理」や「学校ごとのセキュリティポリシー策定」が急務であるとしました。 


さらに議論は、企業データを取り扱う際の「秘密保持契約(NDA)」や著作権といった法的側面にも及びました。


ー 髙木先生:「AIはあくまで統計処理の真ん中にある答えを出すもので、そこには人間特有の『揺らぎ』が欠如しています。だからこそ、AIの出力を鵜呑みにせず、人間の思考を補助するツールとして使う姿勢——つまり『AIリテラシー』の教育が、効果的にAIを活用していく上でも重要になります。」

これを受け髙井氏は、プラットフォーム側の設定やデータ使用に関する注意点を解説し、自治体としてどのように安全な環境を構築できるか、具体的な検討状況を共有しました。






3. AIは「思考の壁打ち相手」——授業デザインから評価までの実践


「具体的にどう使うか」というテーマでは、髙木先生の実践する「3つのAI活用パターン」が詳細に語られました。


  1. 授業デザインの支援:学習指導要領の解釈や、評価の観点(ルーブリック等)を作成する際のアシスタントとして活用。

  2. 学習者へのフィードバック:特に英語教育において、発音矯正やライティングの添削支援にAIを導入。

  3. データ分析:教育データの整理・分析を効率化し、教員が子供と向き合う時間を創出。



髙木先生は、「AIは高次思考を支援する強力なパートナーになる」と述べ、AIによって教員の業務が代替されるのではなく、より高度な教育活動にシフトできる可能性を示唆しました。




4. 「Good Practice」はどう広まるか?——組織的な導入の鍵


議論の後半、話題は「組織的な導入」と「優良事例(Good Practice)の共有」へと移りました。 髙井氏は、戸田市教育委員会でのAIの活用状況を紹介。現在、戸田市AI活用計画を策定中であることに加え、具体的な取組アイデアとして「先生自身が課題解決のためのアプリケーション開発に取り組める環境」の構築を検討していることを明かしました。


こうした計画の参考となっている取組が、甲府市教育委員会でGeminiを用いて開発された教材作成です。実際に甲府市教育委員会が作成されたアプリ「ひき算のひっ算学習アプリ」を紹介し、Geminiの教育における可能性について熱く語りました。 紹介されたアプリの内容は、教科書の特定の単元(東京書籍「新しい算数2上」P.31)に準拠し、児童がつまずきやすい「空位」や「欠位」を含む問題をランダムに出題、まさに、現場の課題感から生まれた「Good Practice」です 。


ー 髙井氏:「私自身、生成AIを『壁打ち相手』として文章作成や企画出しに日常的に使っています。こうした『Good Practice』を広めるには、研修のような形式張った場だけでなく、職員室での日常的な会話の中で『これ便利だよ』と共有していくことが、実は最も効果的ではないでしょうか。」


髙木先生もこれに深く同意し、「組織的にAIを活用するためには、トップ(校長)の理解と支持、そして先生同士が気軽に教え合える協力関係が不可欠である」と結論づけました。



参加者の声


イベント後のアンケートでは、参加者の皆様から熱量の高い感想を多数いただきました!


  • 初めて参加させていただきました。登壇されたお二人の教育DX熱量がとても高いと感じ、前向きな気持ちになりました。


  • Liveなやり取りが面白かったです。AIアプリ制作やそれを整備するプラットフォーム作りについては共感いたします。


  • ガイドラインVer.2.0の話など、最新の動向を整理できて非常に参考になりました。


  • プロンプト集ありがとうございました。校内で紹介してみようと思います。




【募集中】AI教育共創チャレンジ2026 のご紹介





株式会社エデュテクノロジーでは、今回のセミナーで紹介したような「生成AIを活用した新しい学び」を共に創るパートナー校を募集しています。


「AI教育共創チャレンジ2026」では、採択校に対し、以下の支援を無償で提供いたします。

  • 生成AI導入戦略・セキュリティポリシー策定支援

  • Gemini等を活用したプロンプト作成・授業活用研修

  • 教育評価(アセスメント)の再設計支援


「生成AIを組織的に活用したい」「授業デザインや評価に生成AIを導入したい」という自治体や学校様は、ぜひご応募お待ちいたしております!



募集概要

企画名: 「日本の教育の未来をつくる AI教育共創チャレンジ2026」

募集期間: 2025年11月12日(水) 〜 2026年1月16日(金)21:00まで延長!

協業期間: 2026年2月2日(月)〜 2027年4月30日(金)

※準備・計画策定および終了後の広報協力期間を含みます。









 
 
 

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