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【AI教育共創チャレンジ奮闘レポート vol.2】
AI教育で2040年の学校運営はどう変わる?
〜 若手教員と描く次世代ビジョン 〜
生成AIの進化や少子高齢化が進む中、教育現場の課題解決には教員自身の「未来への捉え方」のアップデートが欠かせません。
この記事では、愛媛県の済美平成中等教育学校様で実施した、次世代リーダー教員を対象とする独自の人材育成プログラム第1回の模様をレポート 。日々の多忙な業務を抱える先生方が、いかにして固定観念(メンタルモデル)を解きほぐし、これからの学校の役割を自ら再定義し始めたのか、研修後のアンケートのリアルな声とともにプロセスをご紹介します。
こんにちは!エデュテクノロジーの羽生です。
3月にプロジェクトを公開して以来、多くの教育関係者の皆様から反響をいただいている済美平成中等教育学校様(以下、済美平成様)との「AI教育共創チャレンジ2026」。
今回は、本格的なスタートとして6月25日に実施した、次世代の学校運営を担う次世代リーダー層の先生6名を対象とした第1回目の研修についてお届けします!

DX推進マネージャー 羽生真理子
2013年より教育系企業において、全国の中学・高校・大学、200校以上のキャリア教育・探究学習の構築や産学連携をコーディネート。その傍ら、新規事業企画マネージャーとして、法人向けの組織改革や、次世代リーダー育成研修講師、地方創生×探究学習の自治体との共同プロジェクト推進。2025年より現職。
変化への漠然とした安心感を問い直す背景
生成AI活用や学校組織のDXが推進される近年、文部科学省のガイドライン策定や政府のIT戦略発表など、教育機関を取り巻く環境は急速に進化しています。しかし、現場の先生は日々の授業準備、採点、生徒への対応といった膨大な校務を処理しており、新たなシステムの導入が単なる負担増と捉えられやすい状況にあります。
このような課題を解決するためには、まず「なぜ今、変化が必要なのか」という目的を先生一人ひとりが理解し、主体的に取り組むマインドセットへの変革が不可欠です。
そこで第1回目の研修では、今年度入学した中学1年生が社会で活躍する年代である「2040年」をターゲットに設定。過去の成功体験や現在の延長線上 の思考を手放し、複数の可能性を多角的にシミュレーションする未来創造プログラムを実施しました。

研修に参加する先生方
事前の温度差を越えて ー 直面した未来のデータ
研修の開始前、参加した先生方の間には「面白がれる人と、そうでない人」との間に一定の温度差が存在していました 。日々の多忙な環境において、遠い将来の社会や技術の発展について考える余裕が持てないのは当然のことと言えます。
しかし、ワークのプロセスで提示された「少子化の極地がもたらす自治体の減少」「人工知能(AI)による知的労働の代替と産業構造の転換」といった具体的な予測数値を前に、場の空気は一変しました。
これまで一律に行ってきた「良い大学に入って安定した企業へ」という進路指導の前提が通用しなくなる未来を前に、「これまでは時代の変化にそれなりについていけるだろうし何とかなると思っていたが、もう少し現実問題として考えなければいけない」という強烈な当事者意識が芽生え始めたのです。

研修に参加する先生
不確実な未来(VUCA)において学校の役割を問い直す中で 、先生方からはそれまでの固定観念が解きほぐされ、新たな視座を獲得していく気づきが生まれました。
事後アンケートに記述された先生方の生の声が、その心の変化を証明しています。
ある先生は、AI化がもたらす労働の未来に関するデータを検証したことで、逆に教育の持つ本質的な重要性を再発見したと記述しています。
「自分が事前に目を通した記事の中に、構造転換と賃上げが取り上げられており、AIに代替できない産業であることを改めて実感した。教育も代替不可であり、色んなものが減ったりやる必要がなくなったり、できなくなったりする中で、まだこちらからは何か提供できることがあると気づくことができ、本校が子どもに何を与えるべきかを考えたくなった。できればこの職場で、多くの優秀な同僚の先生方と共により多くの生徒を送り出したいため、改めて職場のマインドセットが必要だとも思った。」
また、別の先生は、「教育の対象が大きく広がりそうな予感がした。教育をより良くアップデートするための根拠が見えた気がした」という前向きな言葉が出されました。
単に「今の課題をどう解決するか」という近視眼的な思考から 、社会構造が激変する未来を前提とした長期的な視点へのパラダイムシフトが1時間半で起きたのです。

研修に参加する先生方
正解を手放す対話がもたらした成果
今回のプログラムで私たちがファシリテーターとして最も重視したのは、「正解を手放し、互いの見方から学び合う」という心理的安全性の構築と、考えたくて話したくなるけど少し難しい答えのない問いです。
これによって、先生方は日頃抱えている不満を超えて、冷静かつ建設的な対話を行うことが可能となりました。
ただ話すのではなく、心地よく安心した状態で対話ができる場を設定する。定期的にこうした場を持つことで、一人ひとりの意識変容が起こり始め、行動が変わってきます。今後は、先生だけでなく、学校を創る一員である生徒とこうした対話の時間を持つことも、とても大切だと考えています。

研修に参加する先生方
次回は、このマインドセットの土台の上に立ち、さらに具体化させた「済美平成だからこそ手渡せる独自の価値」に迫る第2回目の研修の模様をご報告します!
1997年に本格的な男女共学中高一貫校として開校し、2002年に愛媛県初の中等教育学校へ移行。「自律・創造・対話」を教育の柱に掲げ、6年間を「基礎期」「充実期」「発展期」の3段階に分けたきめ細やかな継続的教育を実践しています。長年にわたり、生徒が自ら問いを立てて数万字の論文を執筆するなど、独自の探究的な活動を伝統としてきました。今回の「AI教育共創チャレンジ」を通じて、これまでの確かな人間教育の基盤と最新テクノロジーを融合させ、次世代を担う生徒たちの「個別最適な学び」と「未知の課題を解決する力」の育成を目指しています。
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