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【AI教育共創チャレンジ奮闘レポート vol.3】
AI教育で教員の負担は減るのか?
〜 ビジョンと現場を繋ぐ次世代リーダーと描く学校の未来 〜
未来の教育の在り方を構想する時、理想のビジョンと現場の多忙感という現実のギャップにどう向き合うべきでしょうか 。愛媛県の済美平成中等教育学校様で行われた次世代リーダー育成研修の第2回では、AI時代における「済美平成中等教 育学校が社会に提供する価値」を言語化。
今回のレポートでは、理論や手法の枠組みを超えて交わされた先生方の本音の対話と、そこから浮き彫りになった構造的課題を改めて考えるとともに、今後の展開についても公開します。
みなさん、こんにちは!エデュテクノロジーの羽生です。
前回の未来を創造する研修を経て、6月30日にオンラインにて実施した次世代リーダー育成研修の第2回目をレポートします。
今回は、前回獲得した長期的な未来の視点から、これを自校のカリキュラムや教育環境に落とし込み、「AIが知識を補う時代に、人間である先生が個々の生徒に提供すべき本質的な価値とは何か」を探究するプロセスの記録です。

DX推進マネージャー 羽生真理子
2013年より教育系企業において、全国の中学・高校・大学、200校以上のキャリア教育・探究学習の構築や産学連携をコーディネート。その傍ら、新規事業企画マネージャーとして、法人向けの組織改革や、次世代リーダー育成研修講師、地方創生×探究学習の自治体との共同プロジェクト推進。2025年より現職。
理想の未来から逆算する、自校の提供価値の言語化
第2回となる本プログラムでも、2040年に済美平成様が社会的に高い評価を受け、教育機関としてのロールモデルとなった世界を想定する、バックキャスティングの手法を取り入れました。
先生方から提出されたアイデアシートやチャットへの入力データを分析すると、従来の「一斉授業」や「普通科」の枠組みを変える、以下のような具体的かつ発展的な企画や機能のアイデアが蓄積されました。
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全日制ではなくオンラインとリモート授業を両立し、いかなる生徒状況(不登校生徒への対応等を含む)にもフレキシブルに対応できる「柔軟な個別最適化システム」の導入
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大学や地域の先端企業、医療・福祉機関と連携した「本物に触れる実習・体験機会」の創出
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生徒が自ら考えて行動する力(思考力・判断力・表現力)を育む、済美平成の論文活動の質の向上
AIが知識の処理や伝達を自動化するからこそ、残されるのは人間としての先生の情熱であり 、同じ時間でもより良い結果を得て、生徒ごとの自己肯定感を高める多様な指導であるという目標が明確になりました 。


研修に参加する先生方
綺麗事ではない本音の対話―同じ志を知る安心感
しかし、今回の研修が真に価値あるものとなったのは、こうした理想のビジョンを並べるだけでなく、現場を預かる先生としてのリアルな葛藤や不安、そして学校の現実に対する鋭い問題意識が、リアルタイムに交わされた点にあります。
アンケートに記述された回答には、教育現場のリアルなインサイトが反映されています。
「同年代と意見を共有して、本校の良さは『教員と生徒のつながり方・あたたかさ』であること、そして各々が論文活動をどうにかしたいと考えていることがよく分かり、自分の意見に自信が持てた。」
「学校の魅力について同僚教員が同じことを考えていると知れて安心しました。」
このように、同じ志を持つ仲間が身近にいるという事実を知ることは、変革を推進する次世代リーダーとしての孤独感を解消し、組織の心理的基盤を強固にする成果をもたらしました 。


研修に参加する先生
構造的な課題への直面 ― 負担増を越えるための仕組み化
同時に、ビジョンが大きければ大きいほど、日々の業務量に追われる現場の負担感との摩擦が浮き彫りになりました 。先生方は、過去のデジタル化(プリントのPDF化など)が必ずしも効率化に直結せず、逆に生徒からの質問対応などで多忙感が増した状況を経験しています。
「学校の方針があやふやであることが不安。新しいものや生徒に効果がありそうなものを取り入れるのはいいが、先生の動き方が変わっていないので負担が増えるだけである。今回のようなまるで夢物語とも言える構想をしたところで、不満を抱いている先生は『目の前の問題を解決しろ』と声を荒げるだけなので、抜本的な改革を管理職がイメージしてほしい。」
「こういう話をする時間を持ちたいが、テスト期間などしか全員がまとまった時間はない。でも採点や成績でソワソワするのも正直なところ。けれど全員がある程度同じ方向を見ないと実現は難しい 。」
新しい取り組みをパイロット導入する際、手法やツールの習得(手段の目的化)に精一杯になり、授業の質的転換に至らないというケースは少なくありません 。このねじれを解決するためには、現場への支援体制の充実と、徹底した「引き算(不要な業務の削減・自動化)」をセットで行うことが必須です 。

研修に参加する先生方
変革の伴走者として、エデュテクノロジーが次に打つ施策
2回にわたる対話の場を通じて、次世代リーダーの先生方が今未来志向で前向きに行動してくれようとしていることは確かです。しかし、ここからが本当のスタートです。
やはり定期的にこうした機会をもてる方法を検討したいと思います。同時に徐々に行動にシフトできるように伴走することも大切です。
また今後、エデュテクノロジーは、現場の先生方が目の前の問題に圧倒されず、創出された時間を生徒への対話や教材研究に再投資できるよう 、以下の具体的なアドバイスと検証システムの導入を順次実施・検討していきます。
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データ活用による健康管理の可視化: 勤怠管理システム(ICカード等)とストレスデータを組み合わせたダッシュボードを作成し、客観的な数値に基づいた労務管理の基盤を整え、現場の危機的状況を早期にケアする。
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データ集約と評価プロセスの改善: 現状「後付け」になりがちな観点別評価の構造を 、Google Classroom等のアナリティクスやデジタル採点システムと連携させることで、成績処理を最短化しつつ、生徒のつまづきを早期発見できる形成的評価システムへバージョンアップするアドバイスを行う。
私たちは単にAIの機能を提供する企業ではなく、学校経営の資源を共に成長させる「変革の伴走者として、済美平成様が全国の主要都市におけるロールモデルとなる未来へ向けて、引き続き全力でサポートしてまいります !
1997年に本格的な男女共学中高一貫校として開校し、2002年に愛媛県初の中等教育学校へ移行。「自律・創造・対話」を教育の柱に掲げ、6年間を「基礎期」「充実期」「発展期」の3段階に分けたきめ細やかな継続的教育を実践しています。長年にわたり、生徒が自ら問いを立てて数万字の論文を執筆するなど、独自の探究的な活動を伝統としてきました。今回の「AI教育共創チャレンジ」を通じて、これまでの確かな人間教育の基盤と最新テクノロジーを融合させ、次世代を担う生徒たちの「個別最適な学び」と「未知の課題を解決する力」の育成を目指しています。
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