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9月30日(水)20:00〜
【AI教育共創チャレンジ奮闘レポート vol.5】
済美平成中等教育学校で実現する
「自律した学習者を育てる評価」
〜 AI活用の前に整えるべき、学習評価のマインドセット〜
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近年、教育現場では個別最適な学びの実現が求められています。その解決策として生成AIなどのテクノロジー導入が急がれがちですが、本質的な課題は「ツールをどう使うか」ではありません。テクノロジー活用の前に、「学習とは何か」「評価によってどのように学習支援を行うか」という根本的なマインドセットを整えることが不可欠です。
本記事では、済美平成中等教育学校で実施した「教育評価のマインドセット構築」研修(講師:エデュテクノロジー アセスメントデザイナー 髙木俊輔)の具体的な取り組み内容と、そこから見えてきた新しい評価のあり方を解説します。
みなさん、こんにちは!エデュテクノロジーの羽生です。
今の教育現場では、生徒一人ひとりに合わせた指導が求められていますが、先生方は日々の業務で大忙しですよね。限られた時間の中で、全員の学習状況を細かく分析してアドバイスしたり、思考プロセスを評価したりするのは、本当に大変だと思います。
済美平成中等教育学校の先生方も、生徒が自ら課題に取り組む授業の中で、「どうやって一人ひとりの活動を見守り、指導すればいいのか」というお悩みをお持ちでした。そこで、先生方の負担を減らしつつ、より良い指導ができるように、生成AIを活用した新しい評価方法の研修をご提案しました!
本記事は、研修レポートの後編となります。

DX推進マネージャー 羽生真理子
2013年より教育系企業において、全国の中学・高校・大学、200校以上のキャリア教育・探究学習の構築や産学連携をコーディネート。その傍ら、新規事業企画マネージャーとして、法人向けの組織改革や、次世代リーダー育成研修講師、地方創生×探究学習の自治体との共同プロジェクト推進。2025年より現職。
評価の目的を再定義する:「成績をつける」から「学習を支援する」へ
研修の前半では、評価の真の目的について見つめ直しました。
多くの教育現場では、テストの点数などで最終的な結果を判断する「総括的評価(Assessment OF learning)」に比重が置かれています。
しかし、生徒を「学び上手(自律的な学習者)」へと導くためには、これだけでは不十分です。 学習の過程で現在地を的確に把握し、改善のためのフィードバックを行う「形成的評価(Assessment FOR learning)」のサイクルを回すこと。評価を単なる成績づけの手段ではなく、生徒の自己調整力を育むための「支援ツール」として活用する視点が共有されました。

研修に参加する先生方と講師の髙木俊輔
「不足モデル」から「発達モデル」への転換
生徒の学習状況を捉える際、私たちは無意識に「何が足りないか(不足モデル)」を探して減点してしまいがちです。
研修では、これを「何ができているか(発達モデル)」へと転換する重要性が強調されました。 例えば、「箸が使えない」と評価して終わるのではなく、「正しく持てている」というレディネス(現在の準備状態)に目を向けることで、「次は物を挟む練習をしよう」という的確な支援が可能になります。
ヴィゴツキーの「発達の最近接領域(ZPD)」の理論を踏まえ、生徒が自力でできることと、助けがあればできることの境界線を見極めて足場かけを行うことが、最高の学習体験を生み出します。
学習目標と達成基準の「逆向き設計」
後半では、日々の授業をデザインするための「逆向き設計(Backward Design)」について実践的に学びました。
目先の学習活動から考えるのではなく、まず「目指す姿(学習目標)」を明確にし、次にそれが達成されたと判断できる「容認できるエビデンス(達成基準)」を定め、そのための「学習活動」を設計するプロセスです。
目標や基準が具体的であり、「〜できる」という他者から観察可能な肯定表現で設定されていることは、生徒自身が「自分は今どこにいて、何を目指せばよいのか」を自己評価し、学習を調整していくための重要な道標となります。
タキソノミー(学習分類学)を活用した目標設定とAIの真の役割
高度な学習目標を体系的に設定するための枠組みとして、「改訂版ブルームタキソノミー」や「SOLOタキソノミー」が紹介されました。これらは単なる知識の暗記にとどまらず、応用や分析、新たな創造といった高次思考スキルへと生徒を導き、知識の繋がりを深めるための理論構造です。
生成AIの活用は、まさにこの強固な基盤の上に成り立ちます。
AIは単に業務を効率化したり採点を自動化したりするためのものではありません。これらタキソノミーに基づいた複雑な学習目標やルーブリックを設計する際の「優秀な思考の壁打ち相手」として機能します。確固たる評価理論とマインドセットを持った教員がAIを活用することで初めて、本質的な授業改善と高度な学習支援が実現するのです。

研修に参加する先生方
現場の声と今後の展望
参加した先生方へのアンケートでは、「『できない』ではなく『できる』という視点で評価を考える点が学びになった」「生成AIと学習目標を設定することに不便さを感じていたため、評価の理論構造を知ることができてありがたかった」といった前向きな声が多数寄せられました(満足度4.45)。評価を「学習者の成長を支援するポジティブなツール」として捉え直す、大きなパラダイムシフトの機会となりました。
株式会社エデュテクノロジーは、今後も単なるテクノロジーの導入にとどまらず、現場の先生方と共に教育の「本質」を見つめ直し、次世代の自律した学習者を育む伴走者として取り組みを進めてまいります。

研修中に活発に意見を交換し合う先生方
1997年に本格的な男女共学中高一貫校として開校し、2002年に愛媛県初の中等教育学校へ移行。「自律・創造・対話」を教育の柱に掲げ、6年間を「基礎期」「充実期」「発展期」の3段階に分けたきめ細やかな継続的教育を実践しています。長年にわたり、生徒が自ら問いを立てて数万字の論文を執筆するなど、独自の探究的な活動を伝統としてきました。今回の「AI教育共創チャレンジ」を通じて、これまでの確かな人間教育の基盤と最新テクノロジーを融合させ、次世代を担う生徒たちの「個別最適な学び」と「未知の課題を解決する力」の育成を目指しています。
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9月30日(水)20:00〜

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